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日向学院のあゆみ
創立75周年を迎える日向学院
19世紀、内戦の続くイタリア。たくさんの若者たちが、あてもなく街をさまよっていました。ドン・ボスコは彼らに夢と希望を与えるため、サレジオ修道会を創立して学校をつくり、教育活動にその身を捧げました。やがて、その活動は世界中に広がり、現在2000をこえる教育関係機関が設置されています。
日向学院は、ドン・ボスコの志を継いだヴィンセンチオ・チマッティ神父によって、1946年ここ宮崎の地に創立され、2021年で75周年を迎えました。
1854 - 1945
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サレジオ会創立者 聖ドン・ボスコ (1815~1888)
1854 安政元年
- サレジオ会誕生
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1926 昭和元年
- サレジオ会 宮崎にて宣教開始
- チマッティ神父を団長に9名来日
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1930 昭和5年
- 小神学校開校(大分県中津)
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1933 昭和8年
- 現在地に移転し宮崎小神学校となる一貫教育の基盤を形成
1946 -
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日向学院創立者 ヴィンセンチオ・チマッティ師 (1879~1965)
1946 昭和21年
- 同地に教育長の指導に従い日向中学校創立
- サレジオ会志願院併設
- 初代校長 V.チマッティ師
日向中学校1期生 -
1948 昭和23年
- 財団法人日向高等学校(普通科と商業科)創立
- 日向中学校を高校の附属とする
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1949 昭和24年
- 第2代校長 J.フィグラ師
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1951 昭和26年
- 学校法人日向学院と改称
- 日向学院中学校、日向学院高等学校とする
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1952 昭和27年
- 日向学院高校第一回卒業式(3月)
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1953 昭和28年
- 第3代校長 G.デュメ師
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講堂落成式
1955 昭和30年
- 短期大学商業科(夜間部)開校
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1956 昭和31年
- 短期大学昼間部開設
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イルミネーション
1959 昭和34年
- 第4代校長 R.タシナリ師
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1961 昭和36年
- 日向学院高校第10回卒業式(3月)
- 高等学校の商業科を廃止
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井手口君
ローマ法王と共に1962 昭和37年
- チャペル竣工
- 体育館に「ITO MANSIO HALL」と命名
- 天正遣欧使節を記念し中学生をイタリアに派遣
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チマッティ神父帰天
1965 昭和40年
- 中高一貫教育開始
- 第5代校長 B.マッサ師
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1966 昭和41年
- 中学高校共に長髪認可(丸坊主より解放)
- 日向学院寮竣工
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25周年記念式典
1971 昭和46年
- 日向学院高校第20回卒業式(3月)
- 日南市富土に海の家開設
- 第2グラウンド開設
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1973 昭和48年
- 短期大学の男女共学開始
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甲子園大会初出場
1980 昭和55年
- 第62回全国高校野球大会出場
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1981 昭和56年
- ドン・ボスコ記念館落成
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1982 昭和57年
- 第6代校長 H.カバリエレ師
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創立40周年記念式典
1986 昭和61年
- 短期大学閉学
- チマッティ神父記念体育館竣工
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ドン・ボスコ帰天
100周年祭1987 昭和62年
- 第59回選抜高校野球大会出場
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1990 平成2年
- 短期大学の廃止
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1993 平成5年
- 第7代校長 岡道信神父就任
(初めての日本人校長) - 中学校を男女共学とする
- 第7代校長 岡道信神父就任
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1996 平成8年
- 高等学校を男女共学とする
- 創立50周年行事を行う
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1997 平成9年
- ドミニコ・サビオ会館落成
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1998 平成10年
- 第8代校長 鈴木勝重神父就任
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日南市富土に海の家
別棟建築完成 -
2000 平成12年
日南市富土に海の家
本館新築完成- 日南市富土に海の家本館新築完成
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日南市富土に海の家
本館新築完成 -
2001 平成13年
- 日向学院高校第50回卒業式(3月)
- サレジオ修道会来日75周年行事を行う
- 学院ルーツをたどる海外旅行を実施
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2004 平成16年
- パスカル・チャーベス総会長来校
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2006 平成18年
- 第9代校長 谷 聡史神父就任
- 日向学院創立60周年記念ミサ
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2012 平成24年
- 第10代校長 濱崎敦神父就任
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2015 平成27年
- 全ての校内施設耐震補強完成
- ドン・ボスコ生誕200周年
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2016 平成28年
- 日向学院創立70年
- Asian High School Summit in MIYAZAKI開催
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2017 平成29年
フィリピン姉妹校交流
プログラム開始 -
2018 平成30年
アンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長来校- アンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長来校
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アンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長来校
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2021 令和3年
- 第11代校長中田正一郎就任
建学の精神
年表にあるように、日向学院の前身は「宮崎小神学校」です。「宮崎小神学校」はチマッティ神父を団長とした9名のサレジオ会宣教師が、宮崎における宣教活動の一端として法人司祭・修道士の養成を目的として開校したものです。大淀川近くの民家から始まって、高鍋、大分県中津市と転々と居を移し、1935年に再び宮崎に落ちつき、そこから多くの教会奉仕者を輩出しました。1945年の台風で校舎が大破した時、その再建を期に「宮崎小神学校」は宮崎県の少年のために広く門戸が開かれることになりました。
その「宮崎小神学校」の時代から流れていた精神はカトリックの学校に共通するものです。つまり、
人間は神から創造された。
人間は神に似せて創られた。
神の像をつくることが教育の目的である。
「神の像をつくる」とは、キリストに似た人間像をつくることです。
キリストは父である神から与えられた使命を全身全霊をこめて果たしました。その使命遂行の一つの面は、人間を限りなく愛し、人間の生の営みに温い関心をもったことでした。また、自分自身も人々の労苦と重荷を分かちあいながら永遠の価値に向って歩み、人間の生きる道を照らす光となられたことでした。キリストに似る人間の姿である私たちもそれぞれに与えられた使命を果さすために自分自身の可能性を信じ、その実現のためには苦しみを甘んじて受け、同時に他者に対しても温かさをもって生きる人間となっていくのです。
そして、一人ひとりは神からの創られた者であるという自覚は、すべての親が子を慈しむように、一人ひとりが神から慈しまれているという自覚に発展していきます。このまなざしのもとに子は成長していきます。このまなざしを感じ得る者は、限りない可能性を信じて未来へ向かって勇気と希望を持って羽ばたいていきます。やがて、そのまなざしを感じさせる者になります。
こうしたカトリックの精神を土台にした日向学院は、親切さ・やさしさ・思いやりのある「献身的な愛」にあふれた人、キリスト教的ヒューマニズムの理念に基づく神にかなった善意の人や人間として正しく生きる社会人、「信仰・信念」に生き、それを証明する勇気のある人の育成を目指します。そして、その具体的実現は、カトリック司祭であったヨハネ・ボスコ神父(通称ドン・ボスコ)によって実践された「外部の押し付けや強制によってではなく、内部から成長させるようにする人間関係を重視する教育」によって育まれていきます。その方法はすべて「道理・信仰・愛情」に基づくものです。
「愛情」に基づく教育:「共にいる」を意味する「assistenza・アシステンツァ」が重視され、教育者と生徒の信頼関係が大切にされます。
「道理」に基づく教育:規律を大切にしながら、教師と生徒の相互信頼を育て、「理にかなった生き方」を理解し、納得させます。
「信仰・信念」に基づく教育:一人ひとりの善意と正しい道を求める心をより大きく成長させるために、感謝の心を育て、考え、祈り、実践する機会を提供します。
これらのことをまとめて、初代校長チマッティ神父は「己を知り、己に克て」を学院訓として与えました。「己を知る」とは自分自身を知ることも意味しますが、同時に、ミクロコスモス(小宇宙)である人間が、コスモス(宇宙)全体を知ることも含まれています。「己に克て」とは人間の弱さに克つことと同時に己を支配することを意味しています。そこには、さらに宇宙を支配するという高邁な思想が流れています。
このような建学の精神が目指す人間像は「地の塩、世の光」となる人間です。