MORNING TALK
朝の心
“ドン・ボスコ”
- 2005.04.26
- 朝の心
明日1月31日は、カトリックの暦では聖ドン・ボスコの祝日にあたります。皆さんも伝記を読んで知っているとおり、ドン・ボスコはこの日向学院の母体となっているサレジオ会という修道会を創立し、青少年の教育に一生を捧げた聖人です。さて、ドン・ボスコの伝記を読むと、病気を癒したり、パンを増やしたり、グリージョという不思議な犬に助けられたり、さらには死人を生き返らせたりと不思議な話がたくさん出てきます。しかし、ドン・ボスコの本当の偉大さは、そのような派手な出来事の中にではなく、もっと別のところにあると思います。それは、ドン・ボスコが自分の全てを青少年のために捧げ尽くした、その地味な日常の中にあるのではないでしょうか。ドメニコ・サビオという少年がドン・ボスコに「どうすれば聖人になれるでしょうか?」という質問をしたとき、ドン・ボスコは次の3つのことを勧めました。1:喜び。2:自分のつとめをはたす。3:他の人々によいことをする。この3つでした。聖人になるという高い理想の実現に向けてドン・ボスコが勧めたのは、長い祈りをするとか、断食をするというような特別なことではなく、自分のつとめをしっかりはたし、人によいことをすること、さらには今日一日を喜びを持って生きていくことという、誰にでもできる日常のことだったのです。ドン・ボスコの行った数々の奇跡は、たしかにドン・ボスコの偉大さの一面を示すものです。しかし、ドン・ボスコがドメニコ・サビオに与えた勧めや、さまざまな困難にあっても、常に快活で微笑をたやすことなく青少年に接していった姿は、このように毎日を誠実に喜びを持って生きることこそ偉大であると、私たちに教えていると思います。