MORNING TALK
朝の心
“戦火の中のコンサート”
- 2005.04.26
- 朝の心
つい10日ほど前のことでしたか、ラジオを聞いていたら日本人のある音楽家が民族紛争の納まらないアフリカでコンサートを開き、大勢の人たちがしばしの心の安らぎを感じているとのニュースが入ってきました。
その音楽家は別に著名でも何でもない、一民間の音楽家で、アフリカを旅した際、戦闘のたびに自分の村を追われ、満足に教育も受けられないでいる子供たちの姿を見て、せめて心を慰める音楽を送ろうと考えたのだそうです。
日本に帰ると早速中古のピアノやその他の楽器を集め、アフリカのあちこちの村にそれを送りました。
次に賛同する仲間とともに休みを利用してアフリカに渡り、方々の村で演奏をして回りました。
照明も音響設備もない、原っぱのコンサートでしたが、驚くほどの人々が集まってきて、クラッシック音楽や民謡の調べにしばしの心の平和を楽しんでいたということでした。
国境や民族、部族の違いを超えて音楽が人の心の交流を取り持ってくれればと願わずにはおれません。
そう言えば最近、坂本竜一さんが中心になって、現在活躍しているわが国のアーチストとともに地雷撲滅のキャンペーンを張り、募金活動を展開していることをご存知ですね。
無差別に人の命を奪い、一瞬のうちに幸せを破壊してしまう恐ろしい地雷を音楽によってこの世からなくしてしまおうというのです。
国際政治でも為し得なかったことを音楽という人の心の叫びとやさしさで変えようとしているのです。
私たちに与えられた能力や立場をどのように活用するかによって人は世界をも動かすことができるということでしょう。
「あなたは地の塩である。塩がその味を失ってしまえば何で塩味をつけることができよう」