MORNING TALK
朝の心
”選択の能力“
- 2005.04.26
- 朝の心
「人類にとって21世紀は希望のある社会になると思いますか?」みなさんだったら、この質問にどう答えるでしょうか。これは先日目にしたあるアンケートにあった質問の1つなのですが、中国の中学生の93.7パーセント,韓国の中学生の71.2パーセント,アメリカの中学生の65.2パーセントが「とてもそう思う」または「まあそう思う」という肯定的な回答をしていました。では、日本の中学生はと言うと、肯定的な回答をした人は全体のわずか44パーセントにすぎませんでした。また、ほかの質問では、たとえば「不正や腐敗は少なくなる」に肯定的な回答をした日本の中学生は21.7パーセント,さらに「犯罪や非行が少なくなる」ではわずか11.4パーセントと、アンケートに表れたこれからの社会に対する日本の中学生の評価は、ほとんど絶望的とも言えるものでした。これからの社会のなかでは、希望をもって生きるということはもちろん、生きる意味を見いだすことさえますます難しくなるのではないか、そんな不安を感じさせられました。ところで、伊藤守さんはある本の中で、人間の選ぶ力=「選択の能力」について次のように書いています。『何をしたらいいのかを選ぶのが、選択の能力ではありません。選択の能力というのは、今のこの環境、この仕事、この家族と、いやいややっていくのか、楽しくやっていくのか、うんと楽しくやっていくのか、それを選ぶ能力です。』これからの社会は、ひょっとしたらアンケートの結果どおり、希望を抱くのが難しい、大変な社会になるのかもしれません。そんな中では、選択の能力がますます重要になってくることでしょう。どんな状況にあっても「より楽しくやっていくこと」を選択することもできるということを、わたしたちは忘れないでいたいと思います。