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MORNING TALK

朝の心

“ペイ・フォワード”

2005.04.26
朝の心

 私は小さいころ、マザー・テレサの言葉として次のような言葉を聞いたことがあります。「インドの貧しい人を救うために、あなたはわざわざインドまで来て働く必要はありません。そのかわりに自分のまわりの人たちに愛のわざを行ってください。そのような愛が世界の各地で広がっていけば、やがてインドの人たちも貧しさや飢えから開放されるでしょう。」小さい頃の記憶なので細かいところは違っているかもしれませんが、大体そのような内容だったと思います。さて、今公開中の映画『ペイ・フォワード』の中で、主人公の少年は社会科の先生から次のような課題を出されます。「この世界をよりよいものに変えていくためにはどうしたらいいか、それを考えて実行しなさい。」この課題に対して、彼が考えついたのは次のようなものでした。一人の人間が3人の人に、その人のためになる良いことをする。そしてその3人は受けた好意を相手に返すのではなく、自分のまわりにいる次の3人の人に贈る。つまり好意を相手にペイ・バックするのではなく、次の人にペイ・フォワードすることによって、世界中に愛の輪を広げていこうという考えです。マザー・テレサの話も映画『ペイ・フォワード』の話も、一人一人の小さな善意が、やがて世界を変えていく大きな力になりうることを私たちに教えています。世界を変えるというのはあまりにも大きな話ですが、毎日の生活のなかで、まわりの人への小さな善意と努力によって少しずつでもそれに貢献することができればすばらしいと思います。マザー・テレサは、次のような言葉で私たちを励ましています。『このような仕事はすべて大海の中の一滴にすぎないものです。でも、この一滴を注がなくては、海の水は一滴分減るのです。さあ、始めましょう…ひとつずつ、ひとつずつ。』

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