MORNING TALK
朝の心
“ライフライフライフ”
- 2005.04.26
- 朝の心
先日、TVでチャールズ・チャップリン主演の映画、「ライムライト」(1952年)を観ました。今は落ちぶれてしまったが、かつて街中で人気を博した喜劇俳優カルベロと、足の病気のためにバレリーナになる夢を断念せざるをえず、自殺をはかってしまうがカルベロに助けられたテレーズの悲喜こもごもたる物語である。せっかくカルベロによって一命を取り留めたのに、テレーズは「なぜ、私を助けたの」と、カルベロに向かって叫びます。そのとき、カルベロは、次のように諭します。「死と同じように、生も避けられない。ライフ、ライフ、ライフ。」この言葉を聞いても、テレーズはただうなだれるだけです。そんな彼女にカルベロは「生きることが日課だ」、「僕は歩き続ける。それが進歩だ」と叫びます。生きるということは、命ある者にとって、当然のことのように思います。その生き方がどのようなものになるかが、よく問われます。しかし、カルベロの言った生きることは避けられないことというのは、私にとってあまりにも新鮮な言葉でした。命は与えられたものですが、同時に、どんな状況下でも生きるということを放棄してはいけないのです。さらに、もし自分がただ漠然と生きているのでしたら、もっと積極的にならないといけません。実は、テレーズの足の病気は、精神的なことからくるものでした。カルベロの看護のかいあって、大舞台に立つチャンスを目前にして、おじけづいてしまったテレーズの足が再び動かなくなったとき、カルベロは彼女の頬を叩きました。びっくりして後ずさりしたテレーズに、「動いた」といって喜ぶカルベロ。両者の姿に、生きることの素晴らしさと、命は誰かに支えられているから、積極的に前に進むことができるのだということを学びました。