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MORNING TALK

朝の心

“クリスマス”

2005.04.26
朝の心

 2000年ほど前、一人の幼な子が静かにこの世に生まれました。今では全世界のキリスト信者が、救い主として信じているイエス・キリストです。この幼な子は、大勢の人に見守られながら生まれてきたのでもなければ、救い主の誕生を知らせるラッパが吹き鳴らされたわけでもありません。それどころか、あたたかい部屋も揺りかごも与えられず、暗くて寒い淋しい馬小屋で、誰にも気づかれずに、ただヨセフとマリアだけに見守られながらひっそりと生まれてきました。クリスマスと言えば、今ではとても華やかで楽しいイメージのものですが、最初のクリスマスは実はこのようにひっそりとしたものでした。ひっそりとしたクリスマス。そこには、特別な身分も、財産も何もありませんでした。あるのは貧しさばかりです。しかし、その貧しさのなかに、幸せ、安らぎ、平和があることを忘れてはいけません。今の日本は、物にあふれていますが、果して本当に平和と言えるのでしょうか。また、最近ニュースで目にするアフガニスタンやパレスチナの人々だけでなく、世界中では何億人という人が飢えや寒さに苦しみながら、死と隣り合わせの世界でクリスマスを迎えようとしています。世界中の人々が平和を願いながらも、多くの人がそれを味わうことができないでいるのです。クリスマスを迎えるにあたって、私たちはクリスマスを楽しく過ごすだけではなく、最初のひっそりとしたクリスマスを思い起こしてみましょう。そして一人一人が自分の心のなかに平和を見いだすことができれば、それがやがて世界平和の実現へとつながっていくのではないでしょうか。

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