MORNING TALK
朝の心
ねぇ〜聞いて,聞いてシンドローム
- 2005.06.24
- 朝の心
「ねぇ〜,聞いて!聞いて!シンドローム」とか「聞いて!聞いて!症候群」といった表現を聞いたことありませんか?今,若者の間にまん延している社会現象をいっているらしいのです。現象というよりもむしろ病的な症状と言えるほどに深刻化している,心の問題らしいのです。
今日も校舎の片隅や街角のあちこちでいくつかのグループが実に楽しげにおしゃべりをしています。どこから見てもなごやかで幸せな情景です。でもその会話をよく聞いてみると,各自がバラバラにしゃべっているだけで,その話には何の脈略もなく,何のつながりもないのです。「ねえ,聞いて聞いて!」言葉だけは機関銃のように次から次に発射されるけど,対話といえるものは少しもないのです。結局だれも満たされないままにまた散り散りに別れていくのです。
なんだかすごくさびしくなります。でも良く考えてみると私たちも自分のことを本当によく聞いてもらえたという実感は少ないのかも知れません。知識や情報は人一倍多くもっているのに自分のことを思い切り表現し,主張することは実に下手です。それは背景に,人の話をよく聞くとか,自分のことを真剣に聞いてもらうという姿勢がないからだと思います。大人も教えることだけに躍起になっていて,子供のことをしっかり聞くことを忘れているものだから,結局何も主張できない人間が育ってしまう。私たちも「ねえ,聞いて聞いて!」と近づいてくる友をしっかりと受け止めていくことをしなければならないのでしょうね。