MORNING TALK
朝の心
外見と心
- 2005.06.29
- 朝の心
「剃りたきは 心の中の乱れ髪」
これは鎌倉時代の歌人,鴨長明の句です。「剃りたきは 心の中の乱れ髪」。髪の毛を剃ってお坊さんになり,仏様に仕えてはいるけれど,どうも心の中には髪の毛が残っている。いや残っているどころか,その心の中の髪の毛は乱れている,そのような意味です。
外見上はとても立派に見えたり,立派に振る舞ったとしても,私たちの心の中にはどうしようもない醜さや汚さが潜んでいます。他人の成功を心から素直に喜べない自分,人間関係でうまくいかない人がいなくなってくれたらいいと思う自分,自分からは何もしようとしないくせに他人のすることをうらやましいと思ったり,批判・非難ばかりする自分,そんな心の中の髪の毛が誰にでもあることでしょう。
心の中の醜いものを持っていながら,持っていないかのように振る舞い,自分の弱さは棚に上げて他人の弱みにつけ込むようなことはしたくありません。人は誰でも弱さを身に負っています。そんな自分の弱さを認める勇気を持ち,他人への思いやりの心を持つようにしたいと思います。