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MORNING TALK

朝の心

ありのままに

2005.07.04
朝の心

 とんちと言えば一休さん,一休さんと言えばとんちですが,こんな話があります。ある村に曲がりくねった松の木がありました。一休さんはこの松をまっすぐに見た者にご褒美をやると言いました。村人たちは,どこから見ればまっすぐに見えるかあちこち移動しながら見るのですが,どこから見ても松の木は曲がりくねっていてまっすぐには見えません。
 たまりかねた村人の1人が言いました。「この松はどこから見ても曲がりくねっているなあ。」「うん,そうじゃ。おまえがこの松をまっすぐに見た。おまえに褒美をやろう」と,一休さんは言いました。
 どういうことでしょうか。つまりこういうことです。曲がりくねった松は曲がりくねったままでまっすぐです。無理矢理,直線として見る必要はない。曲がりくねったものをありのままに見る。それが曲がりくねったものをまっすぐに見る方法だというのです。なるほど,ものごとはありのままの姿でまっすぐなのだ,こうならなければならないということはない。曲がりくねった松は,曲がりくねったものとして見ればいいのです。
 同じことが人についても言えるかもしれません。自分や他の人をあるがままに受け入れる。難しいことですが,これができればどんなにいいだろうかと思います。

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