MORNING TALK
朝の心
終戦60年
- 2005.07.06
- 朝の心
みなさんご存知の通り、わたしたちは今年で終戦60年を迎えます。先日、6月23日は沖縄戦終結の日でした。この終戦60年に当たって天皇・皇后両陛下は27日、太平洋戦争激戦の地であるサイパンへ「鎮魂・慰霊の旅」に出発されました。
サイパンでは終戦の前の年、1944年の6月から7月にかけて日本軍とアメリカ軍との間に激しい戦闘が繰り広げられ、日本人55,000人、米軍3,500人、島の住民900人が犠牲となりました。
天皇・皇后両陛下が慰霊目的で外国を訪問されるのは初めてのことです。10年前の終戦50年の折りには、広島・長崎・沖縄などを訪れた両陛下でしたが、今回の訪問の意味はこれまでとは少しおもむきが違うようです。それはサイパンへの出発にあたって天皇陛下が述べられた言葉に表されています。すなわち、「先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼し、・・・世界の平和を祈りたい」という言葉です。すべての人々を追悼するためです。
日本人だけではなく、敵として戦った人々、闘いに巻き込まれて亡くなったその土地の人々の魂を分け隔てなく思い起こし、二度とこのようなことがあってはならないと、誓いを新たにするのです。
靖国問題などで日中・日韓関係がギクシャクする中、自分の国のことだけを考えるのではなく、お互いもっと広い心で向き合うことができればと思うこの頃です。