MORNING TALK
朝の心
拾い物
- 2005.07.20
- 朝の心
先日,自転車で買物に行く途中,ある路上で拾い物をしました。それは,あるお店の名刺の入ったケースでした。携帯電話番号まで記してありますので,大事なものだと思い,住所を見て届けようと思いました。ところが,近くまでは分かるのですが,当のお店がみつからなかったので,交番に届けることにしました。交番に入ってみると,誰もいなく,一旦外に出て,路上警備中の警察官に問い合せると,連絡をするからしばらく待ってくださいとのことでした。10分くらい待ったのち,私は「拾得物預り書」に記入するための住所,氏名,電話番号などを尋ねられました。たくさん記入する項目があり,そのうちに,「はいと渡して帰りたいな。なんでこんなに時間をとらされるのだろうか」と思い,少しいらいらしました。そして,「相手の方が分かってもこちらに連絡しなくて結構ですから」と,つっけんどんに言ってしまいました。そうして,買物を済ませ,戻りました。
交番に拾い物を届けたことも忘れかけていた夕方,知らない人から電話がありました。
「○○さんですか,◯◯です。今日は,名刺を拾ってくださり,ありがとうございました」と、丁寧に感謝されました。受話器を置きながら,ああ,あのとき,落とし物を見ながら素通りしなくてよかったな,相手の方はほっとしただろうなと思い,また,時間ばかり気にして心が狭くなった自分が恥ずかしくなりました。
皆さん,校内でも年間,沢山の落とし物がありますね。私たちは,それを見かけたときどうしますか。反対に,自分が落とし物をしたとき,どんな気持ちになりますか。それが自分の手元にかえってくるときは,ある人々の手間や時間がかかっているのです。そんなことにも気付きましょう。煩わしいからと,見て見ぬふりをせず,次の行動に移りましょう。