朝の心
ムカデ競争
- 2005.10.03
- 朝の心
この前の日曜日,高校の体育大会が行われました。中学と違って,高校では合同練習の時間がありませんし,今年は台風の影響で,予行が前日の土曜日に行われたため,リレーや100メートルの走るコース,あるいは迷走台風の並び方などが,前日になって初めて知らされるという厳しい状況の中で,それぞれがベストを尽くして戦いました。
さて,高校にはアット・ランダムという中学にはない面白いリレーがあります。1輪車に人を乗せて運んだかと思うと,次は5人6脚だったり,5人1組のムカデ競争だったり,という具合です。予行練習では,それぞれが担当する競技や並び方を決め,少しの練習時間の後,本番と同じようにリレーが行われました。レースは順調にスタートし,各団ほぼ互角の戦いだったのですが,高1の2組目のムカデ競争の時に勝負が動きました。というより,この5人はちっとも前に進むことができず,次の走者にたすきを渡す時には,他の団はアンカーまで走り終わっていたのでした。不思議なことに,まわりのみんなが声をそろえて「1・2・1・2・・・」と応援し,この5人もそれに合わせて「右・左・・・」と足を動かすのですが,わずかな気持ちやタイミングのズレで5人が足を乗せている板が全く動かないのでした。
そして迎えた体育大会当日,会場の人たち,特に高1のみんなの注目は,この5人のムカデに集まっていました。レースは序盤から昨日同様互角の勝負でしたが,彼らにたすきが渡ったとき,高1はわずかにリードし1位でした。そして,彼らがスタートしました。驚いたことに,彼らは他の団を圧倒するすごいペースでどんどん進んでいき,差を広げて次の走者にたすきを渡したのでした。そして,彼らの活躍で後の走者も元気づけられたのか,レースは結局そのまま高1が1位でゴールしました。
ところで,なぜ彼らはそんなに速かったのか・・・。実は前日の放課後,5人全員が残って1時間以上にわたって何度も何度も練習を繰りかえした成果でした。その練習に立ち会った私は,体育大会当日の彼らの走りに本当に感動しました。そして,気持ちを1つにすること,みんなで力を合わせること,あきらめずにがんばることの大切さを改めて教えられました。
みなさんも,気持ちを1つにし,力を合わせて,思い出に残る素晴らしい体育祭をつくり上げてください。