MORNING TALK
朝の心
ものを大切にする心
- 2005.11.08
- 朝の心
中学職員室の入り口、公衆電話の横に、落とし物専用のボックスがあります。気に留めている人は少ないかもしれませんが、その中にはもうそうとう長いこと同じ落とし物が並べられています。
時計・めがね・ などなど。
愛・地球博の会場で、「日本にきてびっくりしたことは何ですか」という質問を外国の方々にしたとき、ベスト3に入った答えが、「落とし物が戻ってくる」でした。落としものが戻ってくる国である日本はとてもめずらしい国だそうです。他の国ではこうはいきません。そういう意味では、日本人はすばらしい国民だといえるのでしょう。
別の見方をすれば、それだけ日本は物があふれているのかもしれません。落とし物を失敬しなくても、自分の物があるのですから。
しかし、いくら落とし物を拾って届けてくれたとしても、落とした本人が取りにこないのでは、届けてくれた人の誠意は無駄になってしまいます。なぜ取りに来ないのでしょうか。それは、「別のものがあるから」あるいは、「また買えばいいから」といった理由ではないでしょうか。
世界中の多くの国々から見れば、うらやましいほどの物があふれている国に住んでいるわたしたちは、もっと物を大切にする責任があるのではないでしょうか。