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MORNING TALK

朝の心

この世界のため

2006.03.07
朝の心

以前,朝の心の放送の中で,筋ジストロフィーという病気で一度は危篤状態になったものの,奇跡的に命を取りとめたマティ・ステパネク君を紹介しました。マティ君は,今も人工呼吸器や酸素吸入器を常につけなければいけない生活を続けながら,詩をつくったり,平和のために活動したりしています。さて,今日は,彼が11歳の時に書いた『この世界のため』という詩を紹介したいと思います。

              『この世界のため』
ぼくたちには必要だ。
立ち止まることが。             ぼくたちはみんな似ている。
立ち止まるだけでいい。          ちがうところは
少しだけでいい。               その人にとって宝もの。
これ以上だれかがだれかを        ぼくたちは天のめぐみを受けている
キズつけることがないように。       みんな,育んだり
ぼくたちには必要だ。            与えたり,受け取ることができる。
口を閉じることが。              ぼくたちには必要だ。
口を閉じるだけでいい。           取りもどすことが。
少しだけでいい。               取りもどすだけでいい。
ぼくたちのこころで育まれる         少しだけでいい。
祝福の歌が                  こどもたちや子羊のような
消えてなくならないように。          やさしさや思いやり
ぼくたちには必要だ。             素直さや純粋さを。
気づくことが。                 偏見をもたず
気づくだけでいい。              執念を捨てて
少しだけでいい。               そして祈ろう。
未来が足をふみはずし            ひとりひとり,そして,みんなで
台なしにならないように。           地球も生き物も平和への望みも
立ち止まり,口を閉じ,気づく。       消えてしまうその前に。
                          
 Sep.2001

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