朝の心
ボナノッテ→朝の心
- 2007.11.15
- 朝の心
ドン・ボスコの学校の習慣の中に「ボナノッテ」というものがあります。今日に至るまで続けられている習慣です。子供たちは寝る前の祈りを唱え、「ボナノッテ(Bona Note おやすみなさい)」と言うあいさつの前に、先生が一人ひとりに短い助言を与え、「ボナノッテ」と言って子供をベッドの中に入れていました。子供たちは安心して眠りにつきました。実の親ではありませんが、自分の親のように子供を大切にしてくれる温かい心に触れて眠りにつくのでしょう。この習慣はドン・ボスコの母マルゲリータ・オキエナがもたらしました。ドン・ボスコの幼い頃より行われ、ドン・ボスコの事業を手伝っていた時にはそこに集う子供たち(おそらくまったく家庭教育を受けていない子供)に毎晩「ボナノッテ」を言う前に、短い話を与えていました。この短いお話によって多くの子供たちの人生が変わっていきました。親以上に愛情深く育ててくれたことが感じられたからでしょう。何よりも明日への活力になったようです。母マルゲリータが亡くなった後はドン・ボスコが受け継ぎ、事業が拡大するに従って、その後継者たちに受け継がれていきました。日本でも寄宿舎のあるところでは今も行われています。日本の学校の一部には寄宿舎がありません。そこで、「ボナノッテ」の代わりに「ボンジョルノ(おはよう)」の挨拶の後に、朝授業が始まる前の「ひととき」をお借りして「元気になれる種」を蒔くことが始まりました。これが日本のサレジオ会の学校の特徴の一つになりました。
昔は日本でも寝る前にお母さんがお話をしてくれたものです。洋の東西を問わず、親は子供に良いものを与える努力を惜しみません。ドン・ボスコの学校も同じです。日々の小さな積み重ねによって、子供たちはどんな花を咲かせてくれるのでしょうか。親の気持ちで眺めています。これが日向学院の「朝の心」の由来です。