MORNING TALK
朝の心
地球を守ろう
- 2007.12.28
- 朝の心
かつて昭和31年から51年までの20年間、北九州に城山小学校という学校がありました。昭和30年代・40年代というのは、日本が高度経済成長をとげた時代です。北九州は官営八幡製鉄所をはじめとして日本の高度経済成長を支えた重要な地域です。その北九州の洞海湾に面した地域は1000以上の工場が林立していました。当然、噴煙による大気汚染や汚水の垂れ流しによる水質汚濁のような公害もひどくなっていきました。
城山小学校はその洞海湾のすぐそばに創立されたのですが、どんどんひどくなっていく公害の影響を直接受けることになってしまいました。昭和40年当時、城山地区に降ってきたばいじんは、ひと月平均80トンだといわれています。昭和44年には日本で初めてのスモッグ警報が出され、城山地区は「公害の吹き溜まり」などといわれました。そのような状況で生徒はどんどん減り続け、昭和51年には全校生徒20人になっていました。こうしてわずか20年で城山小学校は閉じられてしまいます。
北九州はこのような公害を、行政・企業・市民がひとつになって克服してきました。しかしわたしたちは今新たな環境問題を地球規模でかかえています。オゾン層の破壊、酸性雨、資源の枯渇など。技術的にはさまざまな公害問題を乗り越えてきた日本は、今、世界に向かってその経験を生かしていかなければなりません。そしてわたしたちも個人として地球環境を守るために何ができるのか、具体的に考えていく必要があるでしょう。