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MORNING TALK

朝の心

いちばんいいもの

2008.02.26
朝の心

 連日、中国製ギョーザによる中毒事件がニュースで大きく報道されています。昨年発覚した一連の偽装問題から始まり、日本の食の安全は非常に脅かされている印象を受けますが、それにしても昨年を象徴する漢字が「偽」だったことには、納得もする反面少々さびしい感じがします。
 さて、プロテスタントの詩人八木重吉さんは、「いちばんいいもの」という題のこんな短い詩を残しています。
 「いちばんいいもの」
 みんなで いちばん いいものを
 さがそう
  そして ねうちのないものに
  あくせくしない工夫をしよう
 かつて、東大宗教学科主任を務めておられた岸本英夫教授は、日本の社会を評して「幸福そうに見える世界」と言いました。毎日さまざまな暗いニュースもあるものの、まずまず世界での理想的安全地帯になっているということでしょう。科学技術は発展し、欲しいものは大抵手に入れることができます。よいもので満たされている幸福な社会。しかし、何かがかけている気がします。「幸福そうに見え」て、本当は幸福ではないのかもしれません。というのも、「よいもの」がいっぱいあふれているために「いちばんいいもの」が見えなくなっているのではないでしょうか。八木重吉さんの詩にあるように「いちばんいいもの」「本当に価値あるもの」をみんなで探し求めたいと思います。

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