朝の心
ぞうさんの歌
- 2010.05.13
- 朝の心
みなさんも良く知っている童謡の「ぞうさん」を作詞した詩人「まどみちお」さんは,「ぞうさん」の歌について,「その詩はたぶんこんなふうに受け取ってもらいたがっているだろう」と前置きをして,次のような話をしています。
「ぞうの子どもは,鼻が長いねと悪口を言われた時に,しょげたり腹を立てたりする代わりに,一番好きなお母さんも長いんだよ,と誇りを持って答えた。それは,ぞうがぞうとして生かされていることが,すばらしいと思っているからです。だから,この歌は,ぞうに生まれたことをこころから喜んでいるぞうの歌,と思われたがっているでしょう。」私はこの文章を読んで,このぞうさんのように,自分を受け入れ,自分を大切に思うことができる人はとても幸せだと思いました。
ところで,まどみちおさんは「ぼくがここに」というこんな詩も書いています。
「ぼくがここに」
ぼくがここにいるとき ほかのどんなものも
ぼくにかさなって ここにいることはできない
もしも ゾウがここにいるならば そのゾウだけ
マメがいるならば その一粒のマメだけしか ここにいることはできない
ああ このちきゅうのうえでは こんなにだいじに まもられているのだ
どんなものが どんなところにいるときも
その「いること」こそが なににもまして すばらしいこと
さて,みなさんがこの世に生まれたとき,みなさんのお父さん,お母さんをはじめみなさんの誕生を心から待っていた人たちは,「生まれてきてくれて,ありがとう」という感謝と感動いっぱいでみなさんの存在を迎えました。みなさんが家族や学校の一員として今ここにいることは,それだけで本当にすばらしいことなのです。みなさんの日常には,楽しいこともあればつらいこともあるでしょう。それでも,今日の一日を,自分を受け入れ自信を持って前向きに歩んでいきたいと思います。