朝の心
能力を伸ばす
- 2012.05.11
- 朝の心
先日、41歳で2000本安打を達成したプロ野球の宮本慎也選手を、皆さんは知っていますか?イチローなどの有名選手とは違って、野球に興味がなければ知らない人も多いと思います。この宮本選手は、プロ野球選手にしては小柄で線が細く、弱そうに見られていました。しかし努力を続けて、プロ野球史上40人目、かつ史上最年長で、ついに2,000本安打を達成したのです。彼は言います。「小さい体で大きい人に負けたくない気持ちが強かった。コツコツやれば記録に届くと感じてもらえたら嬉しい。脇役の一流になれたかなと思う」と。
相対性原理を発見したアインシュタインは、小さい頃は、話すことが得意でない失読症という言語障害があったのではないかと言われています。中学・高校に行っても落第生でした。しかし彼はせっせと論文を書き、研究を続け、20世紀最高と言われる有名な物理学者になりました。彼は言います。「自分と他人との大きな違いは、自分にはより強い忍耐力があるだけだ」と。
進化論を提唱したダーウィンは、何をするにもノロノロしていました。優秀だった妹といつも比較され、学校の先生からは嘆かれ、親から「学校に行かずに犬の世話でもしろ」と言われるほどでした。しかし彼は何かに興味がわくと、それについて注意深く観察し、何年も考えるという特性を持っていました。「種の起源」という論文を発表し、進化論という学説を打ち立てたのは、50歳の時です。彼は自伝の中で次のように書いています。「自分には辛抱強さと勤勉さを持っていた」と。
3人の偉人から導かれる結論は単純です。誰しも初めから優れてはいません。本来誰もがもっている優れたものを、自分たちなりに努力して伸ばしたところに偉大さがあるのです。あの有名な聖書のタラントンのたとえ話をもう一度思い出してください。皆、タラントン、つまりいろいろな能力やチャンスがあるのに、タラントンを地中に埋めて何もしなかった者を、イエスは叱りました。
さあ、もうすぐ学年最初の定期テストです。テストは、自分がもっている能力を最大限伸ばすための良い機会です。全力でテスト勉強に打ち込み、テストに臨んでほしいと思います。