朝の心
親の思いを・・・
- 2013.02.06
- 朝の心
インドで貧しい人々のために一生をささげたマザー・テレサは,あるとき新聞記者からこんな質問を受けました。「あなたは,どうしてそこまで徹底的に人を愛し,人に尽くすんですか。」と。マザー・テレサは,なつかしそうな顔をしてこう答えました。「わたしが小さいとき,我が家では時々夕食がありませんでした。両親は共働きで,いつも仕事帰りに市場で夕食の食材を買っていました。しかし,途中で貧しい家族に出会うと,両親はかわいそうになって,買った食材を全部あげてしまう癖があったのです。そして家に帰ると,『今日はわたしたちの代わりに,あの貧しい家族が夕食を食べる番です。そのことを喜びましょう。』と話していました。確かにおなかは空きましたが,わたしたちの心は平和でした。ですから,わたしが今,困っている人たちに手を差し伸べるのは,そうせざるを得ないからです。わたしは,両親からそのように育てられたのです。」と。
この話は,マザー・テレサの両親のすばらしさを伝えているだけではありません。マザー・テレサが両親の思いを素直な心で聞き,しっかりと受け留めていたからこそ,人に与えることのなかに本当の平和を見出し,それが習慣となっていったのでしょう。
みなさんはどうでしょうか。思春期にあるみなさんにとって,親の言うことは正しいと分かっていても,時には反発したくなったり,なかなか素直に聞けないこともあると思います。しかし,立ち止まって,言葉の奥にある親の本当の思いについて考えてみることは,とても大切なことです。我が子の幸せを願わない親はいません。普段の会話や,みなさんが両親からもらった最初のプレゼントであるみなさんの名前の中などに,親がこめた思いやメッセージを探し,それを素直に受け止める心を大切にしてほしいと思います。