MORNING TALK
朝の心
独り処(お)るは客に接するが如し
- 2013.02.15
- 朝の心
時々、部活動を見学に行くと、皆さんはとても大きな声で挨拶をしてくれます。体育館の入り口にはきちんと靴が並べられていますし、活動が終わると、使った場所をモップやとんぼできれいに掃除してくれています。そのような姿に接すると大変気持ちがよく、皆さんからたくさんのエネルギーをもらっていることを感じます。
しかし部活動以外の、普段の生活はどうでしょうか。部活動中はあんなに気持ちよく挨拶してくれたのに、廊下で会ってもあまり元気のない挨拶だったり、時には何も言わずに通り過ぎる人がいたりします。あるいは校内に落ちているゴミを、誰も拾おうとしない場面に出くわすこともあります。そんな時、ちょっと残念な気持ちなります。
「客に接するは独(ひと)り処(お)るが如く 独り処(お)るは客に接するが如し」という言葉があります。
自分一人でいる時は誰もがゆったりとして、身構えたりしません。この解放的な心でお客さん、つまり他人と接すれば、相手は緊張がほぐれ、リラックスした気持ちになれるでしょう。一方で、目の前にお客さんがいれば心が引き締まります。そんな緊張した気持ちを、一人でいる時にも持つようにすることが、人間が立派に育つ秘訣であるというのです。一人でいる時こそ、自分の言動を大事にするということでしょうか(『心の杖』より)。
有名な相田みつをさんの詩に、次のようなものがあります。
「花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ」(『にんげんだもの』より)
他人から見られていない所や、気付かれていない時、自分はどのようにあり、どんな振る舞いをし、言葉を発するのか。何にも強制されず自由な場面こそ、その人の人間性が出てくるものではないでしょうか。
写真は学院本館からみた朝の景色2月