MORNING TALK
朝の心
旅と旅行
- 2013.02.22
- 朝の心
「旅」と「旅行」の違いは何でしょうか。いろいろありますが、「旅」は目的よりも道中を大切にするものだと思います。一方「旅行」は、目的をきちんと達成して、無事に元の場所に帰ってくることが大事です。高校2年生は来週から、中学2年生は再来週から修学旅行に出かけますね。「旅行」であるわけですから、一人ひとりがしっかりと目標をもって過ごし、無事に帰ってきてくることが何よりも大切なことなのです。
ところで、人生はよく「旅」にたとえられます。人は生きていくうえで、何かしら目的に向かって歩んでいきますが、それ以上に大切なのは人生のプロセスであり、生き方の中身です。人生の途中で、目的は変わるかもしれません。あるいは見失うかもしれません。しかし、それはそれでよいのです。目的と思っていたことが違っていたり、見失ったりすることは、歩んでみて初めてわかる場合もあるからです。したがって人生は、歩むことそのものに意味があります。歩んでみてこそ見つかるものや、人との出会い、思いがけない体験などが、人生という旅の不思議さであり、魅力ともなるのです。
そう考えると、多少の失敗や間違い、あるいは時には立ち止まり、戻ることにも価値があり、意味があるのでしょう。いや、むしろ人生を豊かにするきっかけとなるのかもしれません。
マザー・テレサの言葉に、次のようなものがあります。
「大切なのは、わたしたちが何をするのかということではなく、どれだけの愛を、その行いにこめるかということです。小さなことも、大きな愛をもって」。
今日も、二度と戻ることない人生の大切な一日が始まります。一つひとつをしっかり味わい、楽しみ、そして愛を込めて歩んでいきましょう。
写真は高校卒業式での顧問、後輩からの祝い