朝の心
若さと老い
- 2013.09.24
- 朝の心
先週の月曜日は「敬老の日」でした。当日は、お年寄りの方に感謝をし、一緒にお祝いした人も多いことでしょう。修道院にも92歳になる司祭がいらっしゃいます。高齢でありながら一人で何でもこなし、誰の介添えもなく飛行機に乗って東京に行ったりするので感心しています。92歳とは思えない活力と「若さ」を感じます。
先日、監督業の引退を表明した宮崎駿監督は、最も思い入れのある作品として「ハウルの動く城」を挙げました(高校の文化祭で、1年B組が作り上げた素晴らしい展示を見た人も、多いと思います)。 「ハウルの動く城」のヒロインであるソフィーは、魔法をかけられて老婆にされてしまいます。その老婆になったソフィーが、以前のような若い女の子に変わる場面が時々出てきます。それは、ソフィーがハウルのために一生懸命尽くしているときや、活き活きと働いているときです。そのシーンから、年をとるということは、自分の気持ちの持ちかた次第であるということが伝わってくるような気がします。
ところで第二次世界大戦中、アメリカ軍総司令官マッカーサー元帥の部屋にはサムエル・ウルマンの詩『青春』が掛けられていました。この詩はマッカーサーの座右の銘だったと言われています。その詩の中に、次のような言葉があります。
「理想を失う時に、初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが
情熱を失う時に精神はしぼむ」
人は、年を重ねるごとに身体が衰えるという現実を避けることができません。しかしだからといって、「若さ」を失うとは限らないのです。この詩はさらに次のように続きます。
「人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる」(『心の杖の言葉』より)
体だけではなく、心こそ常に若く保ち続けたいものです。
写真は華道同好会:山田佳乃子さん(2−4)、井料田朱那さん(1−2)の作品