朝の心
かけがえのない命
- 2013.10.25
- 朝の心
Good morning, everyone. How’s it going?
10月1日に、横浜市緑区中山町のJR横浜線の踏切内で倒れていた男性を村田奈津恵さんという方が助けようとし、電車にはねられて亡くなったというニュースを皆さんも知っているでしょう。助けられた男性も大けがをしましたが、命は助かりました。
この知らせを聞いた多くの人が、彼女の勇気ある行動を称え、政治家や警察も感謝状や褒章を与えることを遺族の方々に伝えました。
その一方で、この知らせに「命を犠牲にすることを奨励しているのではないか」とか、「残された家族はどうなるのか」といった意見を述べている人もいます。
確かに冷静に考えれば、もっとよい方法があったのかもしれません。しかし、彼女はそういう理屈を考えて行動したのではなく、身体が勝手に反応したのだと思います。
「優しい子で、酔っ払って倒れた人を見かけると、住所を聞いて家族に連絡したりすることもあった」と奈津恵さんの父親が言ったそうです。今回の事故で突然そうしたのではなく、普段から助けを必要としている人に対して、行動を起こす人だったのでしょう。だからこそ、今回の踏切事故でも、助けるという行動に出たのだと思います。
線路に倒れていた男性は、奈津恵さんの家族や知り合いでもありません。たまたま、そこにいた人です。そのような人のために、思いきった行動ができるとは、信じられないことです。しかし、そういうことができるのが、人間なのだと思います。
今回のニュースを聞いたとき、聖書の中のサマリア人のたとえが思い浮かびました。強盗に遭い、瀕死の状態で倒れている人を見て、サマリア人はあわれに思い、走り寄って手当をしました。その行動は、理屈から出たものではありません。他人の苦しみをみて、身体が反応して自分も痛みを感じ、助けるという行動に出たのです。
「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」というイエスの言葉も、彼女にあてはまります。彼女にとって、その見知らぬ男性は、大切な存在であり、大切な命だったのです。彼女の命を無駄にしないためにも、私たちも周りの人を大切にしていきましょう。
God bless you today.