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MORNING TALK

朝の心

水を掬すれば、月手に在り

2014.04.30
朝の心

水を掬(きく)すれば、月手に在り
花を弄(ろう)すれば、香(か)枝(え)に満つ

これは中国の唐の詩人干(う)良史(りょうし)の作品です。この詩は、水を両手ですくいとると、空の月が自分の掌に宿り、花に触ると、花の香りが着ている服に移って匂うという意味です。

春になると花があちらこちらと咲き始めます。学院の校庭にもいろいろな花が咲いていて、目を和ませくれます。つまり、私たちは花の良い香りのするところ、言い換えれば、真理の教えや、感動の真ん中、すばらしいものの真っ只中にいつもいるのです。しかし、その事実に気付かないことも多いのではないでしょうか。それは、私たちの心が鈍くなってしまったり、見過ごしたり、聞き逃したりしてしまうからです。
また、水面に映っている月を掬うと、掌のなかにも月が見えます。しかし、水面にも掌にも水がなければ、空の月は映りません。水は私たちの心です。水がなかったり、あっても濁っていたりすると、相手の月、つまり相手の美しいもの、良いところが映りません。

気持ち良い日差し、さわやかな風、美しい花などが身の回りにあふれ、私たちの心がゆったりするこの季節、自分の心も綺麗に澄み切った水であり続けられ、花の香りを感じ取れるゆとりを持ちたいものです。特に、今、自分のそばにいる人、関わっている人の美しいところを見出し、良い面を感じ取れるような心でいたいと思います。


写真

写真

写真は華道同好会 上が下沖瑠美さん(3−B)、
右が中崎由唯さん(3−E)の作品

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