朝の心
地球家族
- 2014.10.30
- 朝の心
前回の「朝のこころ」で 私は、世界中の飢餓に対して国際カリタスがキャンペーンを開始したことをお話しました。これについて教皇フランシスコは、次のようなメッセージを述べています。
「私たちの日々の行いは、飢餓に苦しむ人々の生活に直接影響を与えるものではないという考えを捨てるように」と。つまり、飢餓問題を遠い世界のこと、あるいは自分とは直接関係のないことと思わないように、ということです。私たち自身が「利用可能な資源を浪費し、十分に生かせずにいるという意識を高めるように」と言われています。そのためには、地球に住む私たちがファミリーという意識を持つことだというのです。
私は、このファミリーという意識はとても大切な心がけであると思っています。例えば学校生活においても、ここが自分の家であったなら、使っていない部屋の電灯をつけっ放しにはしないでしょう。外出するとき、窓を開けっ放しのままだと物騒なのできちんと戸締りを確認するでしょう。汚い部屋は住み心地が悪いのでこまめに掃除し、ゴミもきちんと捨てるでしょう。そして、人間関係においても、相手が家族の者だったらもっと大切に関わるでしょう。つまり、私たちはどんな場所でどんな集団に属していても、自分の家族だという意識をどれだけ持てるかによって、物の扱いや人との関わりを、無駄なく優しく丁寧に、そしてもっと大切に感じるようになるのではないでしょうか。
聖書には「兄弟のように共に住むのは美しく楽しいこと」(詩編133)という言葉があります。自分の家族に対しては当然ですが、友人知人だけでなく、周りにいる身近な人、地域の人々、そして国内外を問わず一人ひとりを大切な兄弟として共に暮らしているという気持ちを少しでも持てるなら、この反貧困キャンペーンは成功するに違いありません。そして飢餓問題だけでなく、世界の様々な問題の解決への大きな一歩にもなると思います。
最後にスペースシャトル計画で、日本人初の宇宙飛行士となった毛利衛さんが地球に帰還した際に、テレビカメラの前で語った言葉を紹介します。
「宇宙からは国境線は見えなかった」。