朝の心
花さき山
- 2014.12.15
- 朝の心
齋藤隆介さんの書いた「花さき山」というお話を知っていますか?10歳の女の子あやは,お祭りのごちそうを準備するために,山でわらび,ふき,ぜんまいなどの山菜を一生懸命取っているうちに,道に迷って不思議な山に入り込んでしまいます。そこには,あやが今まで見たこともない美しい花が一面に咲いていました。そこへ,やまんばが現れます。やまんばは,意外にもやさしく,自分は人間に決してわるさなどはしないこと,自分は何でも知っていて,あやの名前も,どうしてこんな山奥まで登ってきたのかも知っているといいます。そして,この山に一面に咲いている美しい花がなぜ咲いたかを教えてくれます。「この花は,ふもとの村の人間が,やさしいことを一つすると一つ咲く。あや,おまえの足元に咲いている赤い花,それはお前が昨日咲かせた花だ。昨日,いもうとのそよが,『おらサも,みんなのように祭りの赤い着物買ってけれ』って足をドデバダして泣いておっかあを困らせたとき,お前はいったべ,『おっかあ,おらはいらねえから,そよサ買ってやれ』そういったとき,その花が咲いた。お前は家が貧乏で,二人に祭り着を買ってもらえねえことを知ってたから,自分は辛抱した。おっかあはどんなに助かったか!そよは,どんなに喜んだか!お前はせつなかったべ。だども,この赤い花が咲いた。この赤い花は,どんな祭り着の花模様よりもきれいだべ。ここの花はみんなこうして咲く。この花さき山一面の花は,みんなこうして咲いたんだ。つらいのを辛抱して,自分のことより人のことを思って涙をいっぱいためて辛抱すると,そのやさしさとけなげさが,こうして花になって咲きだすのだ」
さて,来週わたしたちはクリスマス献金を行います。今年は,食べるもののないアフリカの人々を援助するためにそのお金を送ることになりましたが,ぜひ,今週から何かを少し犠牲にして,わたしたちも食べるものがない人の痛みを少しでも味わいましょう。そうすれば,本当に愛のこもった献金になります。マザーテレサも言っています「与えてください。あなたの心が痛むほどに」と。