Buon giooooooooooooooooooooooooooooorno, tutti cari!!
皆さんは恐山を知っていますか。本州の北端、青森県は下北半島にあって、死んだ人の霊魂がやってくる霊場としてとても有名な場所です。
ある番組で恐山の様子を放送していました。そこには、実にいろいろな目的を持った人たちが恐山を訪れている姿が映し出されていました。観光気分で来る人もいれば、３年前に病気で亡くした娘さんの供養のために来たというご夫婦もいました。
その中に、「口寄せ」に来た初老の男性が登場しました。口寄せとは「イタコ」と呼ばれる女性が、死んだ人の霊に自分の体を貸し、死んだ人の言葉を伝えるというものです。この男性は数か月前に亡くなった奥さんと話したいということで、イタコに依頼に来たのでした。そばにいた娘さん曰く、お父さんは生前のお母さんとあまり親しそうに話すこともなく、よくケンカをしていたとのことでした。そのお父さんは、やはり生前のことが気になったのでしょう、奥さんにこの世の生活はどうだったかと聞きました。すると、「最期までしっかり看病してくれたのでありがたかった」と答えてくれたそうです。お互いに言いたいことも言えず、腹を割って話すことがあまりなかった夫婦生活ではありましたが、感謝の中でお別れを迎えたのだと知って、男性は涙を流していました。
私たちは、身近にいる人や、毎日接しているような間柄になると、言わなくても相手は何でも知っていると考えて、あまり自分の思いを言葉にしないことがあったりします。そこには「相手に心の内を察してほしい」という日本人らしい思考が働いています。親愛の情をたとえ持っていたとしても、それを全く口にすることなく時が過ぎていくという人も、決して少なくないように思います。
しかし、「思いはやはり口にしなければ伝わらない」ということも意外とあるのではないでしょうか。たとえ分かっていたとしても、改めて言葉としてその気持ちを受け取ると、とても新鮮なものに感じたりするのだろうと思います。
今日、皆さんは、大切な人へのどんな思いを言葉にすることができるでしょうか。
Allora ragazzi, buona giornata. Ciao!