MORNING TALK
朝の心
「ありがとう」の反対は
- 2015.06.04
- 朝の心
マザー・テレサは,「愛の反対は憎しみではない,無関心である。」という有名な言葉を残しました。世界の平和の実現は,人々の憎しみの連鎖を止めるという壮大なことの先にあるのではなく,もっと周りに目を開き,家族や友達など身近なところで困っている人への小さな愛を1つ1つ実践することから始まるのだと教えてくれます。
では,「ありがとう」の反対は何でしょう。ありがとうの反対というと,「ばか野郎」とか「うざい」など人を傷つける言葉を連想するかもしれませんが,答えは「当たり前」です。ありがとうの語源は「在り難い」,つまり,「めったにないことなのに,ある。だから自分は恵まれていて幸せだ,ありがとう。」ということです。
対人関係で悩む人や,人生がつまらないと言う人の多くに共通するのは,「ありがとう」とあまり言わないことです。しかし,よく考えてみると,目が見えることも,耳が聞こえることも,声を出すことができることも,歩けることも,決して当たり前ではありません。親が働いてくれることも,ご飯を作ってくれることも,してもらって当たり前ではありません。そうやって考えていくと,わたしたちの周りには有り難いことがあふれていて,自然と感謝の念が湧いてきます。「ありがとう」と言われると,誰しもうれしい気持ちになりますので,「ありがとう」は周りの人を幸せにする言葉でもありますが,同時に,自分が幸せであると確認できる言葉でもあります。ですから,「ありがとう」を意識的に口にすると,自分も周りも不思議と幸せになっていくのです。今週土曜日に,「家族にささげる感謝の集い」を行いますが,ぜひ,自分のしあわせを実感し,家族に「ありがとう」と伝える機会にしていきましょう。