MORNING TALK
朝の心
足元を深く掘れ
- 2015.06.18
- 朝の心
「足元を深く掘れ。」カルメル修道会の奥村一郎神父様が書かれた本のタイトルにもなっているこの言葉は,人生は井戸を掘る作業のようだと教えてくれます。ある人は,足元を深く深く掘り続け,その苦労の末に見事に地下の水脈に到達します。しかし,ある人は,深く掘っていくうちに,不安や迷い,諦めなどによって途中でその場所を離れ,別の場所を掘り始めます。何度も何度もチャレンジしますが,ほんの少しの我慢や努力が足りず,水にたどり着くことができません。きっと,なんでこんなに努力しているのに自分は報われないのだろうと思うことでしょう。しかし,彼に足りなかったのは,あとほんの数センチの努力だったのかもしれません。
入試での合格・不合格,試合での勝敗,目標達成の成功・不成功などは,実はこうしたほんの少しの差で生まれるのかもしれません。勉強においても部活動においても,誰しも自分なりに精いっぱいがんばっていると思います。しかし,そこで自分に限界をつくらず,もう少し,もう少しという努力を課して自分をさらに高めていくことができるか,それが結果を大きく左右するのではないでしょうか。そして,時に苦しいだけに感じるかもしれないこの努力も,あと少しで水が出るかもしれないという希望や,ここで諦めたらもったいないという思いにつながれば,自分を奮い立たせることができるのではないでしょうか。
今年度の目標である「di piu」=「もう少し」。みなさんが普段からこの言葉を意識して,自分の足元を深く深く掘り進み,地下の水に達することができるよう願っています。