MORNING TALK
朝の心
はたを楽にする
- 2015.09.24
- 朝の心
皆さんは毎日をどのような時間割で過ごしていますか?
朝起きて、身支度を整え朝食をとり、急いで学校へ向かう。学校では一生懸命勉強にいそしみ、部活も頑張り、家に帰ると夕食をとり、宿題をして、テレビを楽しみ、そして寝床につく。きっと忙しい毎日なのでしょう。
江戸時代の一般的な商人はどのような一日を過ごしていたか。江戸の文化を研究しているグループが次のように報告しています。
まず朝早く起きたら町内を歩いて回り、どこか壊れていないか、ごみは落ちていないかなどを点検します。これがいわゆる「朝飯前」です。そして店を開く準備をしてから朝食。午前中3時間はみっちりと仕事をし、午後は仕事もするけど、大体は朝に近所を点検して回って壊れていたところを修理したり、地域のために時間を使い、夜には明日に備えると書いて「明日備」、つまり遊びをしたといわれます。
ここから見えることは、昔の人は自分のための労働ばかりしていたのではなく、多くの時間を身の回りの人や地域のために割いていたということがわかります。
彼らは、「働く」ということは、「はたを楽にすること」つまり、そばにいる人を楽にすることだと教えていました。現在見られる個人のお金儲けのための働きとはずいぶんかけ離れた考え方ですね。
皆さんは任された仕事をするとき、どのような気持ちでしているでしょうか。お掃除をするとき、そこを使う人が気持ちよく使えるようにと思ったことがあるでしょうか。黒板を消すときに、教室にいるクラスメートが黒板の字をよく見えるようにと思ったことがあるでしょうか。
あなたのそばにいる人が気持ちよくなったり、楽になったりするような「はたを楽にする」働きを、いつも心がけていきたいですね。