朝の心
叩け、そうすれば開かれる
- 2015.10.08
- 朝の心
聖書の中で、イエスが次のように教えるところがあります。「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる」(マタイ7・7)。私はいつも、「門をたたきなさい、そうすれば、開かれる」というところがピンと来ていませんでした。
先日、ある本を読んでいると、『カモメのジョナサン』の作者リチャード・バックの次のような文章に出会いました。
「人間が本当に愛するものを見つけるのは本当に大変なことで、それがすべて、要するに人生の中心だと思うね。一生かかっても、ついに見つからない人も多いと思うんだよ。だけど、ドアが閉まっていても、いつかは絶対に自分の好きなものが見つけられると、そういうふうに導かれているんだと信じることだね。だいたいは、どこもかしこも閉まっていると、絶望的になっちゃうんだよ。だけど、あっちこっち叩いているうちに、どこかのドアがポンと開くと思うんだね。その開いたドアが自分の一番求めている、愛するものへの道だと、とりあえず信じるんだよ。そこへ入る、またドアが全部閉まっている。必死になって叩くと、またひとつだけドアが開く。そういうところを一つずつ通過しているうちに、いつか、ものすごい光が自分の中に出てくるはずなんだよ。」
人生を歩んでいると、先が見えない時、自分の道が分からない時、あらゆる可能性が閉じられて、どうしようもないと思う時があったりします。そんな時、足を抱え、不満だけを垂れ流してうずくまっていても、生きる喜びは見つからない。叩いて、叩いて、また叩いて、思いつくドアは全部叩きまくった先にどこかがきっと開くのだと信じること、これが大切だなと思わされました。
日本人の若者は、自分に自信を持てないと思っている人が多いと言われます。もしかしたら、他の人が開けてくれたドアしか通ってこず、自分で扉を叩いて開かれたという経験が少ないのかもしれません。「だいじょうぶ。いつか、ふさわしい出口が私の前に現れる。だから今は、目の前のドアを叩いてみよう」そんな気持ちで、毎日を勇気と希望をもって生きていけたらいいなと思います。