朝の心
繰り返しを味わう
- 2015.10.22
- 朝の心
皆さんが毎日の習慣にしていることは何でしょうか。
朝起きたら、すぐに冷たい水で顔を洗うことでしょうか。靴をいつも右足から履くことでしょうか。お母さんに行ってきますとやや小さめの声であいさつすることでしょうか。電車の先頭車両の前のほうの席に座ることでしょうか。
私たちはこれらの毎日のことを、あまり意識せずに繰り返しています。でもこの繰り返しをちょっと違った角度から見てみると、自分を作っていくとても大切なものに見えてきます。
カトリックでは祈りの方法の一つとして、「ロザリオの祈り」を大切にしています。
ロザリオの祈りの唱え方は、「主の祈り」「アヴェマリアの祈り」を10回、「栄唱」を唱えてワンセット。これを5セット繰り返します。まるで何かのトレーニングみたいですね。ただ、そのワンセットごとに、イエス様の姿、マリア様の姿を思い描きながら祈ります。そうやって、祈りを味わいながら、私たちの心の中にイエスの心、マリアの心を刻み付けていくのです。
この単調な祈りの繰り返しは、そのままだと本当につまらないものと感じてきます。「アヴェマリアの祈り」だけで50回繰り返し唱えるのです。もし、同じ英単語を50回紙に書きながら唱えなさいと言われたら、皆さんは喜んでやるでしょうか。しかし、この繰り返しを味わいながら行うと、全然違った効果を与えます。繰り返すことによって、より心の中の深いところに染み込んでいくことになるのです。
私たちも、毎日の単調な繰り返しをただ漫然と無意識にやり過ごすのではなく、ちょっと意識して味わってみたらどうでしょうか。朝の顔を洗う水の冷たさ、電車から見える風景、挨拶の声のトーン、歩いているときの靴の感覚。そんな何気ないものに気を配ると、その微妙な変化や今日の自分に向けてのメッセージを読み取れるかもしれません。試してみてください。