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MORNING TALK

朝の心

電池が切れるまで

2015.12.09
朝の心

ある修行僧が,「仏教では『人間はもともと仏性(ぶっしょう)という仏の性質を持ち,そのままで仏である』と教えているのに,なぜ社会で成功する人とそうでない人がいるのかと疑問に思い,日本における曹洞宗の開祖である道元に質問しました。道元は次のように答えました。「成功する人は努力する。成功しない人は努力しない。その差だ。」
なるほどと思った弟子でしたが,その夜,今度は「なぜ努力する人と,しない人がいるのだろう」と疑問に思い,翌日また道元に疑問をぶつけました。道元は次のように答えました。「努力する人には志がある。しない人には志がない。その差だ。」
今度も納得した弟子でしたが,その夜,今度は「なぜ志のある人と,ない人がいるのだろう」と疑問に思い,道元に質問しました。道元はこう答えました。「志のある人は『人間は必ず死ぬ』ということを知っている。志のない人は『人間は必ず死ぬ』ということを,本当の意味で知らない。その差だ。」と答えました。
さて,11月は,カトリックの暦では「死者の月」と言われ,教会では,亡くなった方々を思い起こしてご冥福をお祈りするとともに,自分たちにもやがて訪れる死を思い,今を大切に生きなければいけないという再確認をします。そこで今日は最後に,難病によってわずか11歳で亡くなった宮越由貴奈さんが,亡くなる4か月前に書いた「命」という詩を紹介します。
−命−  宮越由貴奈(小四)
命はとても大切だ
人間が生きていくための電池みたいだ
でも電池はいつか切れる
命もいつかはなくなる
電池はすぐにとりかえられるけど
命はそう簡単にはとりかえられない
何年も何年も
月日がたってやっと
神様からあたえられるものだ
命がないと人間は生きられない
でも
「命なんかいらない。」
と言って
命をむだにする人もいる
まだたくさん命がつかえるのに
そんな人を見ると悲しくなる
命は休むことなく働いているのに
だから 私は命が疲れたと言うまで
せいいっぱい生きよう

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