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MORNING TALK

朝の心

受けることより与えること

2016.02.18
朝の心

 ドン・ボスコが初めて海外に派遣したサレジオ会員は、ジョヴァンニ・カリエロ神父で、派遣先はアルゼンチンでした。カリエロ神父はミケーレ・ルア神父と共にドン・ボスコの活動を支えていた教え子で、ドン・ボスコ自身がとても頼りにしていた存在でした。飛行機に例えればドン・ボスコが本体、カリエロ神父とルア神父は両翼的な役割でした。ドン・ボスコとしては、できたばかりのサレジオ会の基盤を固めるために自分の側に置いて、助けて欲しかったはずですが、大切な存在だからこそ手放しました。その後サレジオ会の活動は、カリエロ神父の活躍によってアルゼンチンから南米全土に広がり発展したばかりか、イタリア国内でも宣教師に憧れてサレジオ会員になる人の数がどんどん増えていきました。
その宣教師に憧れていた中の一人が、チマッティ神父です。チマッティ神父は、海外に出て貧しい国の宣教師になることをずっと希望していました。しかし、当時の長上からなかなか許可が出ません。チマッティ神父はとても優秀でしたから、イタリア国内に残しておきたかったのでしょう。チマッティ神父がようやく日本への宣教をゆだねられたのは、カリエロ神父の派遣から50年目の年でした。日本に到着したのは1926年2月8日で、今年はちょうど90年目を迎えます。手元に残しておきたかったほどの人物だからこそ日本での活躍はすばらしく、サレジオ会は大いに発展し、韓国にも広がっていきます。こうして今の日向学院があり、学院生としての皆さんが、今ここにいるわけです。
 
私たちは皆、自分が可愛いものです。自分にとって良いもの、大切なものを手元に残しておこうとします。しかし、自分にとって良いもの、大切なものを与えていく気持ちを少しでも持つことができれば、人との関わりがギスギスした時や、うまくいっていない事の解決への糸口になるかもしれません。受けることよりも与えることによって、人は豊かになっていくからです。どれだけ自分が受けたかではなく、どれだけ与えたかということが、生涯に残っていくのではないでしょうか。


写真
写真は華道同好会
押川凛さん(1−2)の作品

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