朝の心
電動自転車
- 2016.05.24
- 朝の心
先日、里帰りした際、母親が愛用している電動自転車に初めて乗ってみました。とても快適な走りで、特に坂道をのぼるときの軽快さには感激しました。近くへ買い物に行くために借りたのですが、その日はすばらしい五月晴れでもあり、初めての電動自転車体験が嬉しくて、ちょっと遠くまでサイクリングしたい気分になりました。
ところが坂道をのぼってしばらくすると、充電が十分でなかったせいかバッテリーが切れはじめ、自力で漕がなければならなくなったのです。それまで電動に頼っていため坂道を上るのがよりきつく感じられ、おまけに動かなくなった重い充電器もついていましたから死ぬほど辛い思いをしてなんとか帰ってきました。
楽な方法や快適な手段に慣れてしまうと、そうでない状況に陥ったときに非常に不便さを感じます。また、いつも自分を甘やかし妥協している人は、何か困難に出会った時、あきらめてしまいそうになります。一方で、常に自分に厳しい状況や環境で自己鍛錬している人は、多少のトラブルにもめげないものです。
42歳になった今でもアメリカでメジャーリーガーとして活躍しているイチロー選手は、次のように言っています。
「これまでも常に自分にプレッシャーをかけてきましたし、そういう状況はたくさんありました。そこをくぐり抜け、乗り越えてきたという自信がありますから、どんな状況が目の前に現れても動揺したりすることはないし、普通の精神状態で目の前の状況をこなすことができる自信はあります」と。
普段の私たちの生活はどうでしょうか。常に己を磨き上げる努力をしているでしょうか。小さなことでも自分を律し、コツコツと努力を重ね勤勉に励むことは、実は力を蓄える一番の秘訣であり、成功への近道でもあります。多少の困難にも立ち向かえる人に成長できるのです。反対に些細なことからもすぐに逃げ、いつも自分に甘く、努力を怠ってばかりいると、気づかぬうちに知力、体力、そして心を弱いものにしていくように思います。
「敵に勝つよりもっと大事なことは、常に自分のレベルアップをすること」(元プロ野球選手、監督、野球評論家・野村克也氏)です。学院の校訓である「己を知り己に克て」の精神を改めて心に刻みたいものです。
写真は華道同好会
2−1 押川凛さんの作品