朝の心
小さな喜びを重ねて
- 2016.06.08
- 朝の心
先日、朝日新聞の天声人語を読んでいて、これは面白い!と思わされる取り組みを見付けました。
多くの会社では反省会をするときに、危うく事故になりかけたこととか、予想外のことにびっくりさせられたことなど、大きなトラブルにつながる出来事を「ヒヤリハット」といってチェックしています。しかし、東京のある老人ホームでは、ヒヤリハットならぬ「にやりほっと」を記録しているそうです。「にやりほっと」とは何か。それは、日頃お年寄りと接する中で、思わず笑いが起こりほっこりとさせられるような言葉や振る舞いをカードにメモしたものだといいます。一つ例を挙げると、食事前にあるお年寄りが一言。「食欲がないね。物欲はあるのだけど。」
こんな「にやりほっと」を職員が書き始めたら、それをきっかけに話が弾み、雰囲気が明るくなってきたといいます。(朝日新聞『天声人語』平成28年6月6日朝刊)
似たような取り組みを、ネット上でしている人もいます。カナダ人のニール・パスリチャ(Neil Pasricha)さん。スーパーマーケットに勤務するサラリーマンです。彼は「1000 awesome things」というブログに、日常の小さな発見や喜び、驚きなどを日替わりで書き綴っているブロガーでもあります。彼の記事は、たわいもないものばかり。「バスの運転手さんがバスを止めて、自宅の近くまで送ってくれた!すげー!」「スーパーのレジに並ばずにすんだ!やったー!」それでも、彼のブログは多くの共感を生み、賞までもらうことになります。
暗くなる事件の話題、ひそひそと話をしたくなる噂話などは、放っておいても耳に入ってくるものです。しかし、本当に私たちの人生を生かし、感謝の気持ちを起こさせるのは、たわいもない日常の中に隠された、小さな喜びの積み重ねなのではないでしょうか。
皆さんも、毎日の「にやりほっと」を見つけて書き留めていってみませんか?きっと今見ている日常がずいぶんと変わったものになるはずですよ。