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MORNING TALK

朝の心

本当に願う人とは

2016.11.12
朝の心

 「苦しい時の神頼み」という言葉があります。普段はそれほど信仰深くなくとも、いざ自分が苦しい立場に立った時や、どうしても願い事を叶えたい時にだけ神仏にすがる、という意味で使われます。どちらかというとあまりほめられる態度ではないニュアンスの言葉です。しかしながら「苦しい時だからこそ神に祈る」というのは決して悪いことではありません。苦しい時に助けてくれるのは神しかいないからです。大いに祈るべきでしょう。聖パウロも「何事につけ、感謝を込めて祈りと願いを捧げ、求めているものを神に打ち明けなさい」(フィリピ4・8)と勧めています。

 ただ、「願う」という行為は現実から逃げるものであってはなりません。本当に願っている人は、現実に対して積極的に動いています。例えば、病気が早く治るように本当に願うなら病院に行き、薬を飲み、養生するはずです。試験がうまくいくように本当に願うなら普段から授業をしっかり聞き、宿題をきちんとこなし、試験勉強に一生懸命取り組むはずです。本当に願う人は、他人任せにしたり努力を放棄したりせず、自ら行動するのです。

 また、「願っても無駄だ」と思う時があります。しかし、始めから何もしないで、なぜだめだと言えるのでしょうか。この場合は神に対してあきらめているのではなく、結局のところ自分に対してあきらめているのです。努力することや、直面する問題に自分から立ち向かうことを、願う前から放棄しているのかもしれません。

 さて、皆さんが心から願うことは何でしょうか。その願いの実現のために日頃からいったいどういう生活を送っていますか。神は私たちに必要な願いを必ず聞き入れてくださるという希望を持つと同時に、自分自身も全力でもって実現に向けて努力を果たしていく生き方が大切ではないかと思います。

写真は華道同好会
押川凛さん(2-1)の作品

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