MORNING TALK
朝の心
朽ちない栄冠
- 2017.09.11
- 朝の心
先日、皆さんの高校体育大会・中学体育祭の様子を見させてもらいました。一つひとつの競技に全力を傾ける皆さんの姿に、とても熱いものを感じました。
このような競技大会がある時に、よく引用される聖書の一節があります。コリントの信徒への第一の手紙の中の、次のような一文です。
「あなたがたは知らないのですか。競技場で走る者は皆走るけれども、賞を受けるのは一人だけです。あなたがたも賞を得るように走りなさい。」(9章24節)
誰でも、競技に参加してトラックを走る人は、1位という賞を目指して一生懸命走る。それだけでなく、彼らはその栄冠を得るためにずいぶん前から心身を鍛え、万全の準備をもってその競技に臨む。それだけの覚悟と熱意をもって走るからこそ、1位という賞の持つ特別な素晴らしさを噛み締めることができると言えます。
ただ、聖書は「賞を得るように走れ」と教えますが、それはいつか消えてなくなってしまうような儚い賞のためではなく、ずっと腐ることのない賞のために走れと言っています。それはどんな賞でしょうか。もしかしたらそれは、優勝に向かって頑張っている時に作られる「意志の強さ」かもしれないし、「粘り強さ」かもしれません。チームで取り組むときの「力のない者への思いやり」かもしれないし、「仲間への強い信頼」であるかもしれません。
皆さんはこれからもいろいろなところで、「互いに競う」という場面に遭うことでしょう。そのときに、それぞれ自分なりの「腐ることのない価値」を見つけて、それにむけて一生懸命取り組んでみてほしいと思います。
そして最後には、仲間や保護者の皆さんへの「感謝」という、自分ではない他の人に与える最高の「賞」を自分の胸に作ってくれたら、嬉しく思います。