MORNING TALK
朝の心
我心にむつかしきこと
- 2017.09.20
- 朝の心
毛利元就の三男である小早川隆景(たかかげ)は、豊臣秀吉からも気に入られたほどの非常に聡明な武将として知られています。その小早川隆景が、常に若者たちに語っていた言葉があります。
「我心(わがこころ)に合(かない)たることは皆身の毒と思うべし。
我心(わがこころ)にむつかしきことは皆薬となるべきことと思うべし」
「我心に合たること」とは、自分の好きなこと、おもしろいこと、楽なことを指します。心に任せて行動していると、将来のためにならないという教えです。逆に「我心にむつかしきこと」とは、自分の嫌いなこと、難しいこと、苦しいことを指しています。若い時にこそ、積極的に苦労を求め、いろんなことに挑戦し、自ら困難に立ち向かえと激励しているのです。
さて、2学期は行事の多い学期です。体育祭での優勝、文化祭のクラス展示や合唱コンクールでの優勝など、華やかな成功の陰には、必ず、地道な努力、誰から褒められるわけではなくてもクラスのために貢献してくれる人がいるものです。また、そのような「我心にむつかしきこと」にしっかりと取り組むことは、クラスの成功だけでなく、一致や団結力を高めたり、その人自身を大きく成長させたりしていきます。行事などに追われて忙しくなると、なかなか自分を振り返る余裕がなくなり、イライラしてしまったりすることもありますが、忙しいときにこそ少し立ち止まって、自分は「我心に合たること」ばかりに流れていないか、「我心にむつかしきこと」にチャレンジできているかを振り返ることができれば、自分もクラスもさらに成長していくことができると思います。