朝の心
自分にできることを
- 2018.02.21
- 朝の心
6千人を超える方が犠牲となった阪神淡路大震災の発生から、今日で23年になりました。皆さんが生まれる前の話なのでその映像を見たことがある人は少ないと思いますが、倒壊した建物や街に燃え広がる火災の映像に、日本中が衝撃を受けました。そして、23年経って街がすっかり復興した今でも、多くの方がいまだに心に大きな傷を負っています。しかし、残念ながら多くの人は、時の流れとともに、災害のことも苦しみを抱えている人の存在も忘れていってしまいます。東日本大震災、熊本地震など、大きな災害が起こるたびに、わたしたちは自分にできることはないかと考えますが、それも時とともに薄らいでしまいます。記憶が薄らぐことも、繰り返される災害のすべてを記憶にとどめようとしても限界があって、きりがないと感じてしまうことも仕方のないことです。しかし、年に一度だけでも思い出し、忘れないでいようと努めることは、それだけで十分思いやりのある大切な行為なのだと思います。
昔、ある村の浜辺に何十万ものヒトデが打ち上げられました。すると、それを見た老人があわれに思って、一匹一匹拾い上げ、海に帰し始めました。村の子どもたちは「そんなことをしても意味ないよ。ヒトデはたくさんいるんだ」と老人を馬鹿にしました。老人は子どもたちに言いました。「いま、海に投げ込まれたヒトデの気持ちになって考えてごらん。意味は必ずあるんだよ。」と。
災害で苦しんでいる人、そしてもっと身近に困っている家族やクラスの中で困っていたり元気のない友達など、わたしたちが思いやりをもって見渡せば、まわりにはたくさんの助けを必要としている人がいます。しかし、それが多すぎるから、あきらめて見て見ぬふりをするのではなく、相手の気持ちになって考え、自分にできることを一つずつしていこうとする人でありたいと思います。