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MORNING TALK

朝の心

一流は日常生活からきちんとしている

2018.10.19
朝の心

 日本を縦断した台風24号は、大型で激しいものでした。幸い学校の建物に大きな損害はなかったものの、強風のため、ゴミ捨て場や近隣から飛ばされてきたたくさんのゴミが、台風が過ぎ去った後の中庭に散乱していました。すると翌朝、中体連の試合のために朝早くから中庭に集合していた中学野球部の部員たちが、率先して掃除をしてくれていたのです。とても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。その日の試合は4対0と快勝し、結果的には県大会出場が決まりました。

 無名の高校サッカーチームを全国大会優勝へと導いた、広島県立安芸南高校の畑喜(はたき)美夫(みお)先生は次のように言っています。

「本番だけ結果がいいのは三流です。本番と練習の結果が共にいいのは二流ですが、一流は本番、練習に加えて、日常生活からきちんとしています」(カトリック新聞4451号)と。

 実際、安芸南高校のサッカー部は、部室の掃除、周囲への挨拶、道具を大切に使うことを常日頃から心がけています。さらに西日本豪雨の後には、他の部活動も巻き込んで「掃除隊」というチームを結成し、家屋の中に入り込んだ土砂を運び出す作業や、道路をふさぐ流木や土砂の片付けなど、ライフラインの復旧を支える活動を率先して行ったそうです。

 また、今年6月のサッカー・ワールドカップ・ロシア大会で、日本は惜しくも負け、史上初のベスト8入りは逃しましたが、すばらしい内容の試合を展開し注目を浴びました。中でも特に感動を呼んだのは、彼らが去った後のロッカールームの状態でした。試合前のようにきれいに掃除され、ロシア語で「スパシーバ(ありがとう)」と書かれたメモが残されていたロッカールームの様子に、世界各国から称賛の声が寄せられました。こうしたことは今回だけでなく、どの試合でも行っているのだそうです。だからこそ素晴らしいチームでありつづけ、多くの人に応援され、感動を与えているのでしょう。

スポーツにしろ文化活動にしろ、挨拶や整理整頓、道具の扱いなどバックヤードを大切にしているところは、必ず良いチームであり組織であると言えます。バックヤードを大切にすることは、支えてくれている仲間や周囲の人びとへの思いやりや優しさを具体的に行動に移すことを意味します。良いパスを出せるか、調和のとれた音を出せるかといったチームワークは、相手への思いやりや気遣い、優しさがなければできません。このための訓練は、実は日常生活の中の何気ない当たり前のことを一つひとつ丁寧に行い、いつもバックヤードまで目配り、気配りを心がけることによって培われていくのだと思います。

→月例のミサの様子kokoro9.jpg

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