朝の心
意外とわたしは
- 2018.11.05
- 朝の心
カトリックでは、11月を死者の月、特に11月2日を死者の日として、亡くなられた方の冥福を祈る習慣があります。死はわたしたちにとって遠い存在であったり、怖い存在であったりもしますが、死は誰にでも平等に訪れるものです。だからこそ、11月2日には、亡くなられた方に思いをはせ、死や生について考えることを大事にしてきたのかもしれません。
鈴木秀子シスターは、47歳のときに夜中に修道院の階段から落ち、臨死体験をしました。気が付くと白っぽい金色のすばらしい光に包まれ、その中に立っている自分は、心がすべて満たされていて、「ああ、無条件の愛とはこういうものだ」と、とても強く感じ、あまりの幸せに、ずっとここにいたいと感じたといいます。奇跡的に一命をとりとめたシスターは、以来、死は決して怖いものではないと感じるようになり、90歳近くになった今でも、病気の人や死にゆく人の傍らで一人ひとりを勇気づけたり、各地で講演活動を行ったりしています。
そんなシスターが、ある講演の中で幸せについて話していました。自分を責めたり、自分を好きになれないなど、自分自身といい関係をつくれない人は、人ともいい関係をつくることができず、幸せになれないという趣旨の講演でしたが、その中で、誰もが幸せになれるマジックワードを紹介していました。幸せになれるマジックワード、おそらく「ありがとう」だろうなと思いましたが、違いました。マジックワードは「意外とわたしは・・・」でした。「意外とわたしはがんばった」、「意外とわたしにはいいところがある」など、自分自身に優しい目を向けることが大切なのだと。ついついダメな自分に腹が立ったり、許せないこともあるかもしれませんし、満足したらそこで進歩が止まると感じるかもしれません。しかし、自分といい関係を結んでこそ、自分に自信が持て、周りへの優しさや次へ進む勇気や力が湧いてくるものなのかもしれません。「意外とわたしは・・・」みなさんも、夜寝る前などに探してみませんか?