MORNING TALK
朝の心
敬天愛人
- 2018.12.13
- 朝の心
「敬天愛人」。天を敬い、人を愛する。「西郷どん」こと西郷隆盛が好んで使った言葉です。ベースに人への愛を持ちながら、行動すべき時は断固として行動する。そしてその行動は、自分の利益や他人からの評価を求めるところから発するのではなく、使命や天命といったところから発するという生き方です。西郷隆盛の生き方は、まさにこの言葉通りの生き方でした。30代の大半を島流し生活で過ごすなど苦難の多い人生でしたが、困難なときに彼を支えたのも、自分が人々のために天から与えられた道を行っているという強い自負心でした。西郷隆盛はこんな言葉を残しています。
「事には当然のことながら、うまくいくいかないがあり、
物には出来不出来があるものだ。
人は自ずとそのことに心を奪われがちであるが、
人が実践しようとしているのは、
その事とか物ではなく、天の道なのであるから、
そこに上手下手などはなく、できないという人もないものなのだ。
だから、ひたすら道を行い、道を楽しみ、
もし困難や苦しいことに遭ったならば、
ますますその道を実践し楽しむという心を持つがいい。」
また、こんなエピソードもあります。西郷隆盛は味噌や醤油をつくる達人で、料理上手だったそうです。しかし、妻の料理をいただくときには「おいしゅうございます。おいしゅうございます」と、1つ1つほめながら口にしたそうです。感謝の心をきちんと言葉にして伝え、周りの人をいつも大切にしていたのです。
日々の生活の中には、うまくいかないことも苦しいこともあります。しかし、その一つ一つが自分を成長させ、きっと将来誰かの幸せに貢献する力になると長い視点でとらえたり、周りの人にいつも感謝を伝えたりすることができれば、わたしたちの人生はさらに豊かになっていくのだと思います。