朝の心
見失った星の導き
- 2018.12.15
- 朝の心
イエスの誕生物語に、三人の博士が登場する話があります。ひときわ輝く星を見つけ、救い主の誕生を知った彼らは、その光に導かれて遠い東の国からはるばる誕生の地ベツレヘムにやってきます。そこで小さな飼い葉桶に寝かされている幼子イエスを拝み、それぞれが贈り物を捧げる、という内容が聖書に描かれています。
彼らの旅は幾日もかかったことでしょう。道に迷ったり、盗賊に襲われそうになったりしたかもしれません。聖書には書かれていませんが、さまざまなハプニングがあったことは容易に想像がつきます。そんな想像を豊かにしてくれる一つのエピソードを紹介します(『みんなでクリマス』参照)。
星に導かれて進んでいた三人の博士たちはある晩、その星を見失ってしまいました。彼らのうち二人は地面に何かを書き、何度も計算をしながら首をかしげました。星が一向に見当たらないのです。夜の沈黙の中で、ついに二人は涙を流しました。さて、残りの一人の博士は「自分たちはこんなに探し回って咽喉が渇いている。私たちをここまで運んでくれた召使やラクダたちもきっと咽喉が渇いているはずだ。水を与えてあげなければ」と何気なく思いました。そこで少し離れた水汲み場に行って桶に水を満たし、召使やラクダたちに水を飲ませようと、取手を持ち上げたその時です。あの光り輝く星を、彼はその水面に見たのです!桶の水面にあざやかに映るその星は、まさに三人を導いてきた星でした。静かに、優雅に、踊っているかのように。
人生はよく旅にたとえられます。旅を導くために、私たちにも光り輝く星が必要です。ただし自分のことばかり考えている時や目先のことしか見えていない時には、人には光り輝く導きが見えにくくなります。
もうすぐクリスマスがやってきます。プレゼントを交換したりパーティーをしたり、たくさんの喜びと楽しみがあふれる季節です。そのなかで、少しでもかまいません。周りの人のことを思い、困っている人々のことを考え、その人たちのために行動してみましょう。三人の博士たちのように、見失っていたもの、あるいは気づかなかったものを見つけ、味わうことができるようになるかもしれません。ミッション・スクールに通う学院生には、ぜひともそんなクリスマスを過ごしてほしいと願っています。