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MORNING TALK

朝の心

いのちというプレゼント

2018.12.17
朝の心

もうすぐクリスマスですね。そこで、今日はある雑誌に載っていたお話を紹介します。

ひとりの友達が、次のようにクリスマスの思い出を語ってくれたそうです。

"僕が10歳の時のクリスマス・イブだった。「クリスマス・イブだからちょっと贅沢をしてごちそうを食べようね」と、仕事を早く切り上げた母と僕は二人で街に出かけた。心を弾ませながらアパートを出てしばらくしないうちに、母が突然、地面に倒れた。

「...どうしたの!?お母さん!」

僕の手を掴むと、母は何かを言いたそうにしたけれど、言葉にならなかった。近所の人が呼んでくれた救急車に載せられ、僕たちは病院に行き、母はすぐに手術室に入った。

待合室で一人でいると、どこか遠くで楽しそうな音楽が聞こえてきて、今日が何の日だったかを思い出した。本当なら母が作ったごちそうを食べていたのに。僕は涙をこらえた。

夜になると、窓の遠くに教会の明かりが見えたような気がした。教会で母はよくひざまずいて長い間祈っていた。母は僕のために祈っていたことを知っている。でも、そんな母に僕は何もしてあげられなかった。それどころかわがままばかりだった。母を失いたくはなかった。だからだろうか。僕はこんなことを口走った。「サンタさん、サンタさんは僕がいい子にしていたら、プレゼントをくれるんでしょ。僕、プレゼント、いりません。一生いらないから、そのかわりお母さんを助けてください。もっといい子になりますから、お母さんを助けてください。お願いします。」

あのイブの日から十数年後、僕はいつしか大人になり、素敵な女性と結婚して、今年僕らの初めての子供が生まれた。母は「赤ん坊のころのおまえそっくりだよ」とよく笑う。

僕が一生プレゼントはいらないと言ったから、それからクリスマスにプレゼントをもらうことはなかった。でも、僕は、気づいた。クリスマスどころか、僕は毎日プレゼントをもらっていたのだ。愛する人たちの大切な命、そして、この僕の命。そう、ずっと毎日、かけがえのない贈り物をもらい続けてきたのだ。・・・"

さあ、今日も私たちに贈られているお互いの命というプレゼントに感謝しながら、今を大事に過ごしていきたいですね。

参考:中井俊已「いのり・ひかり・みのり」~かけがえのない贈り物~(『カトリック生活』、ドン・ボスコ社、2013年12月号)

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