朝の心
「君の魂は元気かい?」
- 2019.01.29
- 朝の心
カトリック教会では今月31日にドン・ボスコの祝日を祝います。今日は、ドン・ボスコが自分のオラトリオにやってきた少年たちによく勧めていた1つのことについて、お話ししましょう。
それは、頻繁に「ゆるしの秘跡」に与ること。多くの皆さんにはあまり耳慣れない言葉でしょう。俗に「懺悔(ざんげ)」と呼ばれているものです。
わたしたちは時々、素直な自分を裏切ることや他の人が悲しんだり傷ついたりすることを、怒りに駆られたり意地悪な気持ちになって、思わずしてしまうことがあります。そして自分の心に暗い影を落とし、明るさや自由を奪ってしまう、そういう行為を「罪」と呼びます。このような行為は、わたしたちの存在を喜んでくれている方、神様をも悲しませるものです。だから、「ゆるしの秘跡」ではチャペルの中の小さな部屋に入り、そこにいる神父様に自分のしてしまった「罪」を告白して、神様からの赦しを頂くのです。赦された魂は、元の素直さ、明るさ、そして自由を取り戻すことができます。何より、自分を守り愛してくれる存在を喜ばせようという、前向きの姿勢を持てるのです。それが健全な人間の成長にどうしても必要だということを、ドン・ボスコは良く知っていたのでした。
皆さんは、自分の心が元気を失ってしまったとき、明るさや自由を失ってしまったとき、そしてその原因が自分にあると分かっているとき、素直にその状況や失敗を打ち明けることのできる誰かを持っているでしょうか。「放っておけば、いつか元に戻るさ...」と思うかもしれません。たしかにそんなときもあるでしょう。しかし、自分の心のケアをおろそかにすると、体にダメージが蓄積して大きなケガとなって現れるように、思わぬところに自分の心の歪みが出てしまうこともあるものです。
ドン・ボスコはよく子どもたちにあいさつするときに、「君の魂は元気かい?」と聞いていたと言われます。体のメンテナンスと一緒に、心のメンテナンスにも意を用いたいと思います。自分の状態を素直に認める勇気、素直に「ごめんなさい」「助けてください」と人に言える勇気、それを持てる人が聖なる者だと上村先生の話にもありましたね。いろいろな経験を経てきた神父様や先生方は、きっとよきアドバイザーとなってくれるはずです。
もう一度、自分で自分に聞いてみましょう。
「私の魂は元気かい?」
教職員での始業ミサ