朝の心
もっとも大切なものは みな ただ
- 2019.02.22
- 朝の心
最近読んだある実話を紹介します。両親と息子、娘の四人家族の話です(「生命尊重ニュースno.407」参照 )。
両親は、子どもたちだけで留守番ができるようになったら夫婦で海外旅行をしよう、と約束していました。息子が高校2年生、娘が中学2年生になった冬休み、ついに旅行のチャンスが訪れました。子どもたちに話すと、「留守はまかせておいて。二人できちんと協力するから大丈夫。楽しんできて!」と言って快く送り出してくれました。両親は安心して一週間程の旅行を楽しみました。帰ってくるときちんと留守がまもられており、旅行のお土産を渡しながら海外のいろいろな話をして、四人は団欒のひとときを過ごしました。話が一段落すると、頃合いをみた二人の子どもが両親に、一通の封筒を差し出しました。中には次のようなことが書かれていました。
「洗濯代1,000円、掃除代1,000円、買い物代1,000円、食事代1,000円、雑用代1,000円、合計5,000円ずつ」
二人の子どもは、両親が留守の間に行ったことに報酬を求めたのです。
両親はどうしたでしょうか。二人は別室に行きました。子どもたちは報酬が来るのを待ちました。ひょっとするとその倍の額をもらえるかも、という期待もありました。しばらくたって戻ってきた両親は、一通の手紙を子どもたちに渡しました。そこには次のように書かれていました。
「毎日の食事代、ただ。毎日のお弁当代、ただ。掃除洗濯無数回、ただ。病気にかかった時に寝ずに看病した分、ただ。」
そして、最後にこう書かれていました。「これからも私たちは、二人が独立するまで、今までと変わらず、何の報酬も求めず、応援し続けます。家族皆で幸せに。」
さて、二人の子どもたちはどう思ったでしょう。また、この話を聞いて、皆さんはどのように感じましたか?
この記事の最後には次のような詩が書かれています。
もっとも大切なものは みな ただ
太陽の光 野や山の緑 雨や川の水 朝夕のあいさつ 神への祈り
そして母の愛