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MORNING TALK

朝の心

フランシスコ教皇来日

2019.10.25
朝の心

 ご存知の人も多いと思いますが、ちょうどひと月後の11月23日から26日まで、ローマ法王・フランシスコ教皇が来日されます。東京、長崎、広島を訪問される予定で、長崎県営野球場と、東京ドームで、ミサが捧げられます。

 フランシスコ教皇は現在82歳。生まれはアルゼンチンです。ヨーロッパ出身者から教皇が選出されることが多い中、初めてアメリカ大陸から選ばれました。大司教の時からつつましく生活し、専用車を使わずに公共交通機関を利用されていたフランシスコ教皇は、質素なアパートに住んで自炊をするなど控え目で、人々に寄り添う姿勢を大切にされていたそうです。特に貧しい人、困っている人を、時には命がけで救い、彼らから証言集が発行されたほどの方です。その姿勢は教皇になられてからも変わりません。さすがに現在は公共交通機関を使うことはできませんが、移動では庶民が使用する小さな車に乗り、住まいも特別な部屋ではなく他の司教たちと同じです。

 

さて、フランシスコ教皇は今回どんな目的で来日されるのでしょうか。それは"~Protect all Life~すべてのいのちを守るため"です。日本には今、いのちと平和に関するさまざまな問題が山積みされています。環境や経済、近隣諸国との関係などのほか、大規模な災害や原発事故からの復興も大きな課題です。いのちを踏みにじる事件も少なからず発生し、誰からの助けを得ることもなく孤独や孤立のうちに、いのちの危機に瀕している人が少なくありません(「カトリック新聞」4999号参照)。また日本は、戦争で実際に核兵器が使われた世界で唯一の被爆国です。こうした現実の中で生きるすべての人々にフランシスコ教皇は神の慈しみと愛を示し、勇気づけ、世界中の人々の幸せと核兵器廃絶を願う人々への後押しをされるのでしょう。

日本に、教皇としてやってきた初めての人物はヨハネ・パウロⅡ世でした。38年前のことで、まだ小学6年生だった私は連日テレビや新聞で大きく報道されていた当時のことを今でもはっきりと覚えています。特に印象的だったのは、日本に到着し飛行機から降りたったヨハネ・パウロⅡ世が、まず大地に跪き接吻された場面や、広島で世界平和へのメッセージを全世界に向けて読まれていたことです。

教皇来日の数日間が、皆さんにとって印象深い出来事となることを期待しています。そして各地で発信される教皇のメッセージに、しっかり耳を傾けてほしいと思います。

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